廃陸の旅団
「ほんじゃ、力尽くで頂くとしようか……ね!!」
遠慮ナシに切り掛かったカムイの斬撃が、ゴーレムの堅い身体に容易く弾き返されてしまう。
「堅っ!!手が痺れる。」
ゴーレムの動きは鈍重で、簡単に避けることができた。
しかし余波のように攻撃の後にくる振動派がカムイの動きを逐一止める。
「くっそ。ミノタウロスのアースクエイクを連続でやられてるみたいな気分だな。」
ゴーレムが動く度に、攻撃を仕掛けてくる度に遺蹟が震え天井が崩れていく。
「このままじゃこいつと一緒に心中しちまうよ。まだ未完成だけどアレやってみますかね。」
珍しくカムイが術を詠唱する。
するとそれに呼応するかのように孔気刀が不安定に歪みだした。
「突き破れ『剣嶺』」
カムイが地面に手を置くと孔気が地面に染み込んでいった。
カムイの手には僅かに、孔気刀の名残のようなフォースが覆っている。
「剣嶺・甲の巻『月雫の円』」
ゴーレムの攻撃を避け、カムイが間合いをいっきに詰める。
カムイはゴーレムの周りにフォースの輪を張り巡らす。
カムイが腕を振り上げると、その輪に囲まれている地面から無数の剣が突き出しゴーレムの脚を突き刺した。
それは悉くゴーレムの身動きを封じていく。