廃陸の旅団

「あの憧れていたB.A.S.E.の本部にいると思うと、なんだか……緊張しちゃうね。」

クラナドは辺りをせわしなくキョロキョロと見回す。

変わって全く普段通りなカムイとのギャップがなかなかおもしろい。

しばらくすると一人の女性を先頭に三人の白衣を着た研究員達が入ってきた。


「カムイ・フロストマンとクラナド・ウォーカーだね?ニーガル中将から代役を頼まれたクルー・S・ウーゼル少佐だ宜しく。」

クルーは二人に手を差出し握手をした。

前髪から全部を後ろ手で縛り、燐とした顔つきに鋭い眼光。

働くお姉さんといった感じに見える。

「そして後ろの三人はここの研究員でエンジェニアー(工学士)の……右からアスカ準佐、ダムイ曹長、それからアストン准将。」

クルーに紹介された研究員達も次々とカムイとクラナドに歩み寄り、握手を交わしていく。

「アストン准将はマター(呪術師)の隊長も兼任していらっしゃる、こう見えて強いぞ。」

「クルー少佐、こう見えてって……」

最後に握手をしたアストンは何だかおどおどとして、ズレてもいない眼鏡をしきりに直していた。

クルーは全員を紹介し終えると、パンと手を叩く。

「さて、カムイ。君を呼んだのはある物を渡す為なんだ。」

「ある物?」




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