廃陸の旅団

「すばっしっこいわね『三対飛燕-サンツイヒエン-』」

フィーナの放つ矢が、まるで獲物を狙う燕の様に素早く、ジンに襲い掛かる。

「流石は隊長だな。一筋縄じゃいかねぇか『結鎖・護爆陣』」

三対、六本の矢がジンを貫こうとした瞬間。

ジンの周りで大爆発が起こり、矢を吹き飛ばした。

「こざかしい。『拾機直列-ジッキチョクレツ-』」

砂ぼこりも止まぬ内にフィーナの追撃がジンを襲う。

十連射された弓矢は、一直線に並び、驚異的な貫通力を以て目標物を貫く。

砂ぼこりすらもその軌跡に巻き上げてて、矢がジンの結界を貫き、壁に突き刺さる。


「これでお仕舞いね。」

フィーナが振り返った瞬間。

『ジャラッ』と足元から音がして下を見るとそこには――

「これは鎖!?ま、まさか――」

鎖はフィーナを縛りつけながら足元に陣を描いていく。

「油断大敵。今どき腑抜けた魔獣だって知ってることだぜ隊長さん?」

「おのれ。許さぬ。許さぬぞーーっ!!」

「――『結鎖・烈風陣』」

巻き起こる暴風に、フィーナの最後の叫びも掻き消され、フィーナは全身を風の刄に引き裂かれ倒れた。




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