廃陸の旅団

にやりと笑い、クルーはアストンの持っていた小さな箱の厳重な鍵を開けた。

中に入っていたのは小さな赤く光る石。

クルーはそれを慎重に箱から取り出した。

「それ……もしかして『レッド・スフィア《深紅の宝珠》』ですか!?」

クラナドが目を光らせてそう尋ねると、クルーは少し驚いていた。

「ほう、レッド・スフィアを知っているとはクラナド。なかなか博学だな。」

「アブソリュートではスフィア学を専攻しているので。凄い初めて見る、これがレッド・スフィア……」

クラナドは目を光らせながら、その小さな赤い石に見入っている。

「ほう、そんな科目までできたのか、私の時とは変わったもんだな。」

B.A.S.E.に所属する者の中でアブソリュート出身者は多く、クルーもその一人だったらしい。


< 19 / 583 >

この作品をシェア

pagetop