廃陸の旅団
「はぁはぁ。やるね中将。ならこれはどうかな?『閃帝桜花』」

「一度目の前で見せた技が通用すると思うな『黒士無双-コクシムソウ-』」

カムイがフォースを放出しようとした瞬間。

漆黒の刄の斬撃が具象化しカムイに襲い掛かってきた。

孔気刀で受けとめると黒き斬撃はまるで、カムイの孔気刀を飲み込むかのように、すり抜けてカムイの左肩を切り裂く。

「ぐああっ。」

カムイの血があたりに散乱する。

右手で力強く左肩を抑えるが流血は止まる気配がない。

そんなカムイを見てニーガルは小さく笑った。

「一撃入れただけで勝ち誇ってんじゃねぇ。もう手加減はしない!!剣嶺・甲の巻『月雫の円』」

ニーガルの真下から無数の刄が生え襲う。

「ほぉ……これは。」

ニーガルは上空に回避するが刄の葬列はどこまでも追い掛けてくる。

「静止せよ『ゴーストテリトリー《厳冷の手向け》』」

ニーガルは超零度の冷気を放つ、降り注いだ冷気が刄に当たると、そのまま地面までもを一瞬にして凍らせてしまった。

カムイはニーガルの胸にマークをしようと近づく。

「ふふ。甘いねぇ。」

しかしニーガルのするどい蹴りが逆にカムイを捕える。

上空に蹴りあげられたカムイはなんとか空中で態勢を整える。

「くっそ。剣嶺・丙の巻『上弦の恵』」

カムイは刄を空中で具象しニーガル目がけて放つ。

「剣嶺まっこと素晴らしい技だよ。しかし今の君では持て余してしまっているね。『燕光神波-エンコウシンハ-』」

ニーガルが純白の剣を振るうと燕の形をした光が飛び交い、カムイの刄を悉く切り裂いていった。

「そ……そんな。」

耐え難い実力の差を見せ付けられ、カムイはその場に立ち尽くした。
< 191 / 583 >

この作品をシェア

pagetop