廃陸の旅団
「確かに君は死んでいた。なぜ蘇った。それにその瞳は何だ!!」
カムイの右目が不自然な緑色の光を放っている。
まるでエメラルドの様な美しい光、枯れる寸前の緑葉の濁った色。
二つの混ざったような不思議な光がやけに不気味だった。
「退いてくれませんか中将?これはお願いじゃない……命令です。」
カムイはゆっくりとニーガルへと歩を進めていく。
何が恐いというわけじゃないがニーガルは後退した。
まるでなにか壁が近づいてきているような圧迫感があったのだ。
「"双剣"のニーガルの名において敵を目の前に退くことなどできやしない。君のその自信のほどを見せてもらおうか。」
ニーガルは素早くも鋭い渾身の一撃を放った。
「いたぞ。誰か早くスクルド老師を呼んでこい。ニーガル中将しっかりしてください。ニーガル中将!!」
数分後にニーガルは意識不明の重体で発見される。
そして治癒の名手であるスクルドの治療によってなんとか一命をとりとめることになる。