廃陸の旅団
親愛なる裏切り人
そしてカムイはボロボロになった身体を引きずり、壁にもたれながら上を目指していた。
「つっ!!なんだ?右目が痛い……ぐああっ。」
立ち止まり座り込んでしまうほどに強烈な痛みが、不思議な光を放っていた右目にはしる。
手で抑えても痛みは和らぐこともなく。
ゆっくりゆっくりとその痛みは消えていった。
すると――
「えっ――右目が。右目が見えていない!?」
痛みが治まると右目はその光を完全に失った。
カムイは手をかざしたりして視界を確認するが、なんと右目が失明していた。
そんなカムイに追い打ちをかけるかのように、2人の軍人がカムイの背後へと迫ってきているのだった。