廃陸の旅団
緑色に光り輝く目には全てが見えていた。
視界に写る全てを把握し、更には空間を駆け抜ける術の軌道すらもコマ送りで捕らえていた。
クルーの放った弾丸は素晴らしいほどに性格にカムイの眉間へと向かってきていた。
その弾丸の回転すら今のカムイには見えている。
カムイは弾丸をわずかに、自らに向かう軌道からずらすように剣の切っ先を当てる。
弾丸は炎を纏ながら壁にぶつかると、一面を火の海にしてしまった。
リリーの放った術。
その風の動きすらもカムイにはしっかりと見えていた。
いくら風とはいえ、かならず薄い場所。
つまりリリーのフォースが上手く伝わりきれていない場所というのが存在する。
その穴とも言える一点を見抜くと、カムイはそこに刄を向ける。
「そ、そんな……」
すると風は目標を見失ったように四方八方に散ってしまった。