廃陸の旅団
部屋全体を飲み込んだジンの氷狼結界。
舞い散った氷の結晶が消えると、アニスのいた場所だけが無明の闇に包まれていた。
「……驚いたぞ。」
闇がブレて、光に照らされ影が消えていく様に、フッと消えた。
あれだけの術を受けて、アニスは無傷でたっていた。
さすがのジンもこれには笑うしかなかった。
「砕け散った鎖。そこに残されたフォースを遠隔操作して繋ぎ合わせ、部屋まるごと飲み込むほどの巨大な結界を造り出すとは。」
「おいおい、一回見ただけで人の術を完璧に分析すんなよ。」
「ふっ。素晴らしい結界術を見せてもらった礼に、私の力も見せよう。」
爆発的に上昇したアニスのフォースに、ジンは身構える。
「ったく……キツいなぁオイ。」