廃陸の旅団
「さてと。スフィアも渡したことだしアンタらもう帰っていいぞ。ってか私らも忙しいから帰れ。」
どこまで自分本意なのか、用が済んだ途端にクルーは二人を玄関まで送り出す。
そして二人がアンバー・タワーから出発しようとした時。
クルーはクラナドにだけに囁く。
「カムイとの差であんまり気に病むんじゃないよ?あんたのシュミレーションも見せてもらったけど、あんたの歳であれだけのフォースを扱えりゃあんたも十分天才だよ。自信持って頑張りな。」
クルーはそう言うとクラナドの背中を、カムイの時の様にバンバンと叩いた。
「……はい。ありがとうございます。」
クルーはかなりサバサバしている印象を受けるのだが、実際には面倒見がよく。
年齢も二十七歳とB.A.S.E.の中では上の方なので、姐さん的存在として慕われている。
だからどんな悪戯をされてもクルーのことを悪く思ってる人はいないのだ。
クラナドは少し困ったような笑顔で応えると、先に行っているカムイに追い付くように走っていった。
「あの二人が本当に信頼し合えれば相当良いコンビになると思うんだけどね。」
クルーはしばらくクラナドが帰るのを見つめていたが残している仕事を思い出し、さっさと本部に帰っていった。