廃陸の旅団
そこにはクラナドの姿があった。
クラナドは天井を見つめている。
「……なぁカムイ。オレは憎いんだ。」
3人が部屋に入ってきたことに気付いたのか、クラナドは振り向きもせずにそう呟いた。
「お前がくるまでは勉強も戦闘もオレが一番だった。それなのに反逆者であるお前が入ってきた途端に二番に成り下がった。」
「クラナド……?」
ゆっくりとカムイは近づいていく。
クラナドもまたゆっくりと振り返り、2人が見つめ合う。
「憎かった、オレのプライドを打ち壊してくれたお前が。そして何より――」
その時。
クラナドの瞳から一粒の涙がこぼれ落ちた。
「本当の友に出会えたと内心喜んでしまっていた自分が憎くて仕方がなかった。」
「クラナド……」
クラナドは涙をぬぐい、黒い鎌を構える。
「法に背き、この手は汚れてしまった。今さら後戻りなんて出来ないんだよカムイ。」
困った様な笑顔。
クラナドは振り上げた鎌を、振り下ろす。