廃陸の旅団
スフィア消滅
クラナドを横にさせる。
「そんな心配そうな顔しないでカムイ。大丈夫だから。」
そう笑ったクラナドの手が微かに震えていた。
カムイはブルー・スフィアをマールに渡す。
マールはそれを受け取ると無言で頷き、クラナドの胸に手を当てた。
「カムイは下がってて。」
マールがフォースを解き放つと、手の中のブルー・スフィアが共鳴してアクアブルーの光を放つ。
「……っ。あっ。」
マールが詠唱を始めると、クラナドが胸に手を当てながら、時折呻く。
青い光がステンドグラスに反射して、部屋中を神秘的な光の渦が飲み込んでいく。
誰一人として言葉を発することはない。
しばらくマールの詠唱と、クラナドの呻き声だけがなり続いた頃。
急にクラナドが苦痛に顔を歪めだした。
「がっ。うぐっ……あぁ。」
「クラナド!!大丈夫か?しっかりしろ!!」
カムイの言葉にクラナドは苦痛のなか笑顔を見せる。
するとクラナドの体内からレッド・スフィアが皮膚にまで浮かび上がる。
クラナドはその苦痛に身をよじりながら耐える。
「スフィアの半摘出が終了。これから『アーリア・ポーション《融合消滅》』を施すわ。治癒の最中にクラナドが暴れる可能性があるから皆で動かないように手足を押さえ付けていて。」
マールに言われるがままにカムイとジンそれにオスカーがクラナドの両手両足を押さえ付けた。