廃陸の旅団

「良かった……クラナド。」

マールは力を使い果たしてしまったのだろう、クラナドの意識が戻ったのを見ると、力なく崩れ落ちた。

「やったなマール。成功だ。」

地面に崩れそうになったマールをジンが支える。

マールは涙を流しながら頷いた。

スフィアの融合消滅は成功した……

誰もがそう確信していた。

オスカーただ1人を残して。

「暴走したスフィアを消滅させる様な術に、リスクが無いはずがない……何だ?この妙な胸騒ぎは。」

顔をしかめながらクラナドを見つめるオスカー。

それに気付いたジンが言う。

「何しけた顔してんだよオスカー。オレ達もクラナドの所に行こう。」

「……ん、ああ。」

クラナドの元に皆が駆け寄る。

額にあったスフィアは消え、まがまがしいフォースもない。

クラナドは元に戻ることができたのだ。

そう皆の気が緩んだ時、それが始まった。

「……うっ。」

「クラナド?」

< 243 / 583 >

この作品をシェア

pagetop