廃陸の旅団
「良かった……クラナド。」
マールは力を使い果たしてしまったのだろう、クラナドの意識が戻ったのを見ると、力なく崩れ落ちた。
「やったなマール。成功だ。」
地面に崩れそうになったマールをジンが支える。
マールは涙を流しながら頷いた。
スフィアの融合消滅は成功した……
誰もがそう確信していた。
オスカーただ1人を残して。
「暴走したスフィアを消滅させる様な術に、リスクが無いはずがない……何だ?この妙な胸騒ぎは。」
顔をしかめながらクラナドを見つめるオスカー。
それに気付いたジンが言う。
「何しけた顔してんだよオスカー。オレ達もクラナドの所に行こう。」
「……ん、ああ。」
クラナドの元に皆が駆け寄る。
額にあったスフィアは消え、まがまがしいフォースもない。
クラナドは元に戻ることができたのだ。
そう皆の気が緩んだ時、それが始まった。
「……うっ。」
「クラナド?」