廃陸の旅団
崩壊した遺蹟。
船から見える色は深緑などではなく、燃え盛る火の赤と焼け焦げた木々の灰色のツートンになってしまった。
島から運ばれる風は灰が混じり、消える気配のない炎によって温められている。
助けたかった友が残したのは最後に握り締めた右手だけ。
爆発を悟ったオスカーによって切り取られた為にクラナドは右手だけ消し飛ぶことはなかった。
友の手を握り締め何も言わず水面を見つめるカムイ。
自分のせいで失敗したのだと泣きじゃくるマール。
二人をなんとか元気づけようとするのだが、オスカーに止められるジン。
対照的な三人の成し遂げたかったことは、失敗におわってしまったのか。