廃陸の旅団
遺蹟から出航して二日。
ちょうど港までの中間地点にきていた。
「どうやら二人は納得できたみたいだな。まだまだ見込みあるじゃねぇか。しかし……まぁ、あの坊主は一生立ち直れそうにもないか。」
あれからずっと、ただぼーっと海を見つめるカムイ。
瞳に生気はなく、あれではマネキンと何の変わりもない。
「俺達だって納得できたわけじゃない。後悔だってしてる。罪だって感じる。でも……」
最後の言葉を飲み込んだジンにオスカーは軽く拳骨をした。
「アホか。それを納得したって言うんだよ……」
この後誰も口を開くことはなかった。
皆が皆自分のしたことが正解だと理解しながらも、後悔せずにはいられなかったのだ。
カモメの鳴き声だけがデッキを駈け抜ける。
冷たさを取り戻した海風が、一行の背中を優しく押していた。