廃陸の旅団
朝食を取り終えて、カムイが口を開く。
「これから、みんなに付いて来てほしい所があるんだけど良いかな?」
「おう良いぜ。」
「うん、私も構わないよ。」
ジンとマールは迷うことなくそう言った。
しかしオスカーの答えだけは違っていた。
「悪いがオレ様は他にやることがあるんでな、お前達と行動を共にするのはここまでだ。」
ガタッと椅子から立ち上がるオスカー。
「お前達とはいずれまた何処かで会うだろう。良いか坊主、仲間ってのはな枷(かせ)じゃねぇんだ。仲間ってのは糧だ。」
降り注ぐ太陽の光がオスカーを照らす。
「うん。ありがとうオスカー。」
ゆっくりと頷いたカムイ。
その落ち着いた表情を見て、オスカーは静かに笑った。
「さてと……じゃあな。」
オスカーは一度も振り返らずに宿を後にした。
堂々と去っていく大きな背中を、カムイは瞬きをせずに瞳に焼き付けた。
「さぁ、オレ達も行こうか。」
「おうよ。」
「うん、そだね。」