廃陸の旅団
玄関には墨で描かれた絵が飾ってあった。
木目が綺麗な木造の家。
何だか懐かしい匂いがする。
「ゴメンなさいねボロボロの家でしょう?」
ギギッ、ギギ。と歩くたびに床が軋んだ。
「いえ、凄く落ち着きます。」
「ふふ、ありがとう。」
少し眉をひそめて笑うクセは母親ゆずりだったのだろう、クラナドそっくりでカムイの胸が痛んだ。
居間には大きな食卓と6つの椅子があった。
食卓には花を生けた花瓶と、きっと昼食を取っていたのだろう、食べかけのお皿があった。
「どうぞ座って。」そう促しながらクラナドの母は食器を下げて、カムイ達に紅茶を入れてくれた。
居間の壁に飾られていたのはクラナドの小さい頃の写真と、アブソリュートに合格した日に撮ったのであろう家族写真があった。
「クラナドは毎週日曜日に手紙を出してくれるんだけどね。新しい手紙の話題はみんなカムイ君、カムイ君てね。あの子本当にきみのことが好きなのね。」
クラナドの母が持ってきた手紙を食卓に並べた。
見ると全てにカムイとのことが書かれているではないか。
言われるまで気が付かなかったがカムイの目からは自然と涙が流れ出ていた。
「カムイ君……どうしたの?」
頭を撫でてくれたおばさんの手が、昔頭を撫でてくれた母の手と重なってカムイは涙が止まらなくなってしまう。