廃陸の旅団
それから二日後。
クラナドの埋葬式が村をあげて大々的に催された。
アブソリュートは途中で除籍になってしまっていたので誰一人として関係者が現われることはなかった。
おばさんのお手製の豪華な料理が食卓に並ぶ。
クラナドの新たな旅立ちを祝して村中が集まり豪勢な夕食が進んでいく。
そんな中でたった一人だけ静まりかえった墓石の前に立ち尽くす人がいた。
「クラナド。そっちでも女に囲まれて困った顔してるのか?俺が居なかったら……お前どこに逃げるんだ?」
少年は悲しみに包まれ自然と笑う。
星は一つも見えていない。
真っ暗な空。
「俺さ。もう少しだけスフィアのこと研究しようと思うんだ。それでもし暴走したスフィアを浄化する手段が見つかったら一番にお前に知らせるから。だから少し待ってろよ。まだ天国になんか行くなよな。」
カムイの問い掛けに一番星が輝いた。
それがクラナドの返事だとカムイは思えて自然と笑顔がこぼれた。
「だから今は「さよなら」は言わないよ。待ってろよ、すぐに見つけてくるから「行って来る」よクラナド。」
少年は悲しみに包まれ自然と笑う。
星達は輝き。
暗やみに小さな穴を空けてくれた。