廃陸の旅団
遠く離れていく小さな村。
いつまでも見送ってくれるクラナドの母親の姿が少しずつ小さくなっていく。
それでも抜ける雑木林の暗さに不安は感じなかった。
親友の墓に刻んだ決意はカムイを少し強く成長さたのだ。
しばらく歩いていると、三人の前に黒ずくめの男が現われた。
「またお会いしましたね。」
男は唐突にそう言って立ち止まる。
カムイとマールはサルマン私郷でその男と会っていた。
「前回お会いした時は名乗りませんでしたね。私はアリオス・クローバー。しがない旅の占術師です。」
男は黒いフードを外した。
真っ黒のフードからふわっと出てきた金髪の髪は後ろで縛っている。
口下のほくろが特徴的だ。
優しい眼差しの中に、ゾッと背筋が凍り付くような冷たい瞳を覗かせている。
「ケルセウムを目指すと良いでしょう。そこであなたの知りたいと思っていることを知る為のきっかけを得ることになります。それでは。」
アリオスは三人を横切りさっきの村へと消えていった。
「……何だったんだろう。」
三人は茫然としながらアリオスを見送った。
「でも、オレ達は目的地もなくなっちまったしとりあえず行ってみるか?」
「ん?………あぁ。」
カムイ達はアリオスの占いにそってケルセウムを目指すことにしたのだった。