廃陸の旅団
「スフィア戦争……その事の発端は二十年前にセイクリッド・モースである物が見つかったことに始まる。」
クロノが少しもったいぶるので、すかさずカムイが言う。
「エターナル・スフィア。」
クロノはカムイの言葉に少し残念そうな顔をしたが話を続けていくのだった。
「左様。エターナル・スフィアの発見は人類を発展に導くモノとして大いに喜ばしいことだった。しかし発見された場所に問題があった。」
「集合聖域での発見なら平等に民の為に使うことになるのが普通じゃないのかい?」
ジンの問いかけにクロノはゆっくりと小さく首を振った。
「本来ならばそうなるべきだったろう。しかし人はそれほどに出来た生き物ではないのだよ。」