廃陸の旅団
闇巣食う歴史
クロノからの助言に従い、3人は核下地区にあるヒステニアを訪れていた。
乳灰色の街並が3人の目の前に荘厳と連なる。
土地を埋め尽くしたその建物の廊下や屋根がまるで迷路のように入り組んでいて、図書館というよりも本棚の迷宮と言った感じだ。
町は外壁に囲まれ入り口には見事に整備された純白のアーチが建っている。
アーチに掘り刻まれる『HistAnia』の文字。
入り口を抜けるといよいよその建物の全貌が視界いっぱいに広がってきた。
随時二万人ほどの人々がこの図書館を利用しているらしい。
しかし敷地があまりにも広いのでほんの少ししか人がいないような錯覚に陥ってしまう。
「何だよこの馬鹿でかい建物は……」
カムイはまじまじと辺りを見回す。
するとパンフレットのような物を見ていたマールが、それを声に出して読んでみせるのだった。
「ここヒステニアは宇宙孔史歴1990年に建設されました。核下の特色を生かすためにマルテリウムを一切使用せずに作ったために建設には十八年もの時間が費やされました。……だって。」
これぞ棒読みと言わんばかりに心のこもっていなかった説明はまぁよしとして、3人は歩き続ける。
「えっじゃあヒステニアってマールと同い年なんだな。なんかすげぇ歴史を感じるんだけどな……」
ジンはマールからパンフレットを受け取り目を通す。
「とりあえず中に入ろう。」
カムイはそう言うとさっさと中に入っていった。
乳灰色の街並が3人の目の前に荘厳と連なる。
土地を埋め尽くしたその建物の廊下や屋根がまるで迷路のように入り組んでいて、図書館というよりも本棚の迷宮と言った感じだ。
町は外壁に囲まれ入り口には見事に整備された純白のアーチが建っている。
アーチに掘り刻まれる『HistAnia』の文字。
入り口を抜けるといよいよその建物の全貌が視界いっぱいに広がってきた。
随時二万人ほどの人々がこの図書館を利用しているらしい。
しかし敷地があまりにも広いのでほんの少ししか人がいないような錯覚に陥ってしまう。
「何だよこの馬鹿でかい建物は……」
カムイはまじまじと辺りを見回す。
するとパンフレットのような物を見ていたマールが、それを声に出して読んでみせるのだった。
「ここヒステニアは宇宙孔史歴1990年に建設されました。核下の特色を生かすためにマルテリウムを一切使用せずに作ったために建設には十八年もの時間が費やされました。……だって。」
これぞ棒読みと言わんばかりに心のこもっていなかった説明はまぁよしとして、3人は歩き続ける。
「えっじゃあヒステニアってマールと同い年なんだな。なんかすげぇ歴史を感じるんだけどな……」
ジンはマールからパンフレットを受け取り目を通す。
「とりあえず中に入ろう。」
カムイはそう言うとさっさと中に入っていった。