廃陸の旅団
マールが小部屋へと入っていったすぐ後。
カムイとジンは大勢の警備員に囲まれた。
「なぁジン。これって新手の歓迎の仕方かな?」
カムイが口を引きつらせながらそう言うと、ジンもまた引きつった笑顔で警備員達を見回した。
「はは、だったら俺達には身に余る大歓迎だなぁ……」
「B.A.S.E.から直々に指名手配の出ているカムイ・フロストマンとジンだな。おとなしく捕まってもらうぞ。」
警備員の一人が威厳のある重い声でそう言うと他の警備員達が一斉に銃を構えた。
「どうする?おとなしく捕まっておくか?」
「別に捕まることは良いんだけど、オレとしては独りになったマールが心配なわけよ。」
二人は両手を上にあげヒソヒソ声で話をする。
警備員がジリジリと二人に歩み寄ってくる。
「てことは……やっぱり。」
「そりゃやっぱり。強行突破しかねぇだ、ろ!!」
警備員達の目の前から二人の姿が消える。
ジンが目の前にいた警備員のみぞおちにきつい一撃をくわえる。
その警備員が腹を押さえて倒れこむとやっと他の警備員も事態に気付いたらしい。
「こんなとこで発砲したら仲間に当たるからやめときなよ。」
カムイは引き金を引こうとした警備員の銃の先だけを孔気刀で切り裂いていった。