廃陸の旅団

階段を降りた先は何かの実験室のようだった。

薄暗いその部屋には人が入れるほどの大きなカプセルが何十個と並べられている。

「なにここ?なんか気味悪いよ。」

その中は深い緑色の不気味な液体で満たされていて、何が入っているのかは見ることができない。

「ああ……凄く不快な感じだな。何かの研究施設か?」

床にこぼれている液体は凝固して辺りに不快な腐敗臭を漂わせている。

「おい、見ろよあそこ。あれって死体じゃないか……?」

そう言ってジンが指差した場所を見ると、部屋の隅のごみ箱に確かに人間のようなものが無造作に詰められていた。

カムイが近づいていくと。
「……っ。マール、ジン見ないほうが良い。」

詰め込まれていた死体の身体は不自然に腫れあがり、皮膚がただれ、所々に出血が見られた。

明らかに普通に息を引き取ったわけじゃないことが分かる。

「見慣れない薬品に散らばった注射器、人体実験……か?だとしたら誰が何の為に。」

ジンが机の上にあった注射器を手に取ろうとした時、一番奥のカプセルの液体がゴポゴポと音を立てながら抜けて始めた。

すると、だんだんとカプセルの中身が姿を現した。

「あれは……やっぱり人がいるよ。」

それは紛れもなく人間だった。

カプセルは液体が全て抜け切ると開き、中にいた人間を排出した。

「おや。こんな場所にお客様とは珍しい。丁重におもてなししなければならないですね。」

3人は男の顔を見て驚愕した。

「うそ……ニーガル!?」

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