廃陸の旅団
「さて、そろそろ今のフォース量を保つのがきつくなってきたんじゃないですか?」
ウリアはカムイを見下ろしながら言う。
「私は致命傷にはならないレベルであなたの全身に傷を負わせました。フォースとは体細胞の核から発せられるエネルギー。細胞が死ねばフォースは生み出せません。」
カムイの額に刄を突き付けながら話すウリア。
筋一本分すらの反抗も許さないと威圧しているかのようだ。
「つまり長時間動いたりして細胞が死んだり、このように傷を負って細胞が死ねば自ずとフォースは減っていくのです。」
ウリアの言う通り、もはやカムイのフォースは底を尽きようとしていた。
頼みの綱である緑柱眼を発眼するのも今では不可能になっていた。
「なぜ私がこのような回りくどいことをしたのか。それは本来のあなたが全力を出していれば私を下すことができたからです。」
カムイの額に突き付けていた刄をゆっくりと振りかざす。
「あなたは様子を見ながら戦うことを選んだ。それは当たり前の作戦ですよ。ましてや初めて対峙した敵なのですから、誰でもその作戦を選ぶことでしょう。」
高く振り上げられた手刀が頂点で一瞬静止する。
「それを見越して私は始めから本気を出していました。あなたは作戦ミスしたと言うわけです。さようなら若き戦士よ。」
ウリアが最後の一撃を振り下ろす。