廃陸の旅団
命賭して切り開く道
ニーガルとウリアが戦闘を始めるとマールはまず真っ先にテリアに治癒を施した。
「ありがとうお姉ちゃん。」
「どういたしまして。さ、2人もちゃっちゃと治しちゃうね。」
そして続けてジンとカムイの傷を癒した。
「ウリア。いつまで片手で相手をするつもりだい?そんなにオリジナルと同じ戦い方はしたくないかな?」
ニーガルの双剣をウリアは右手の刄に変形した手でうまく防いでいる。
「あなたこそコピー相手に手を抜いていて私を倒せるとでも思っているのでしたらとんだ高慢ですよ?」
二人の激しい斬撃がぶつかり合い強い衝撃波が生まれ辺りの机を横転させた。
「確かに"本来"の私のコピーである君に今の私では勝てるはずもないか。」
ニーガルは懐から真っ赤に光る小さな球体を取り出した。
「レッド・スフィア……ようやく本気でくる気になりましたか。なら私も。」
ウリアの左手が右手のそれと同じように変形して刄となる。
レッド・スフィアを吸収したニーガルのフォースが爆発的に上昇し、辺り一帯を吹き飛ばしていく。
そしてニーガルが双剣を天にかざすと一方は目も眩むような光を発し、もう一方はそれが何かも認識できないほどに黒く影のようになった。
「スフィア戦争での私の通り名は"双対剣"のニーガル。私の四刃を前にひれ伏さなかった者などいない。」
ニーガルの孔気刀はその姿を変え、前後に刄の付いた特殊な剣になった。