廃陸の旅団
今までは白剣で防御し黒剣で攻撃をするオーソドックスな二刀流だったニーガル。
しかし四刃となった今、その役割の境界は取り払われ、正に四枚の刄が縦横無尽に舞う。
「この変則剣をこうも自在に操れるとは……流石ですね。」
迫りくる刄を何とか迎撃していくウリア。
ニーガルの斬撃の軌跡には、白と黒のツートンの残像が残り、まるで宙に絵を描いているかの様に鮮やかにして、残酷。
「ウリアも流石だね。アイツが造っただけあって私の戦闘スタイルそのものだ。しかし君はもう気付いているのだろう?」
「……何のことでしょうかね。」
一撃。また一撃と刄を交える度に明らかになる実力差。
反応が僅かに遅れ、切っ先が肌をかすめる。
「『双牙斬』」
ウリアの上下同時攻撃がニーガルに襲い掛かる。
「『双竜総牙-ソウリュウソウガ-』」
純白と漆黒の竜がウリアをいともたやすく飲み込んだ。
上下、左右、全方位からの同時攻撃は防ぐ術などなく、ウリアは切り裂かれた身体を自己治癒をした。
「自己治癒か……ニーヴァスならではだな。ここにいる全員を殲滅するのはわけないが、君を倒すのには時間がかかりそうだね。」