廃陸の旅団
カムイ達は軍によって造られたニーヴァスの子供テリアと共に地上へと上がる為、導穴を利用した。
導穴の行き着く先にはテリアとウリアを生み出した張本人がいるかもしれないからだ。
「この導穴って確か……」
対峙しなければならない相手はこの世界を指揮している軍。
その不安からジンですら今から行く場所に気が引けていた。
「軍の総本部アンバー・タワーへ直行だよ。アストン准将は導穴の管理者だから会える可能性はかなり高い。」
重力に逆らい浮き上がる身体。
カムイは一度この導穴を使っているから多少は我慢できたが、初めてのマールとテリアにとっては胃が浮かぶ変な気持ち悪さに襲われ、それに耐えなければならなかった。
「もしアストンとか言う人が居なかったらどーするつもり?」
テリアはマールになついたようでマールの手をしっかりとつかんでいる。
年が近い分他の二人よりは心を開きやすかったようだ。
そんなマールが聞くとカムイは黙った。
どうやら先のことなど考えてはいないようだ。
「ここからは光が入らないから皆で手を繋ごう。」
導穴の入り口まで上昇した所でカムイが言う。
「ほらジンもだよ。それに……テリア、オレとマールの間にきな。」
そういうと四人は手を繋いだ。