廃陸の旅団

「そうですね仕方ないです。あの三人には眠ってもらいましょう。『微睡みの歌』」

「よし皆行くぞって……へ?微睡みの歌?」

静かで安らかな歌が辺りを包み込んでいく。

しかし、攻撃術を想像していたカムイが勇み足で隠れていた壁から身を乗り出してしまった。

「はっ、何だ貴様ら!!ここは立ち入り禁止…だ…ぞぉ?」

カムイに気付き、剣と盾を構えながら近づいて来ようとした一人の門番が、目も虚ろに地面に倒れた。

「な、いったい何をした!?許さん…ぞ…あれ?オレも、か……」

パタリ。パタリ。と兵士達が力なく崩れ落ちる。

「これで三人は放っておけば半日ほど目を覚ましません。行きましょうか。」

あっけらかんとした表情でアストンはそう言い放って、さっさと施設に入っていってしまった。

「……………。」

そう全員が忘れていたのだ、アストンがマターだったということを。

「呪術使えるなら最初から使えばいいのに……しかも五感を支配して相手をコントロールする上級呪術。」

アストンの能力の片鱗を垣間見てカムイ、ジン、マールの3人は目を見張るしかなかった。

「みなさん何をしているんですか?行きますよー。テリアもおいで。」

4人が入ってこないことに気付いたアストンが、施設の入り口から手を振る。

4人はアストンの元へとかけていった。





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