廃陸の旅団
ある場所を境に照明が紫から緑へと変わる。
「ここから先はニーヴァスが侵入者、つまり研究員達が持つ特殊な鉱石を持たない者を排除するようになっています。十分気を付けてください。」
そう言っていると、何か前方で蠢く気配を察知する。
「早速のお出ましだな……2いや3体か。」
「ええ、そのようですね。」
それぞれがフォースを纏い臨戦態勢になると、三体のニーヴァスがその姿を現した。
「マールさんテリアを宜しくおねがいします。」
「任せといて。テリアは私の後ろにいてね。」
小さく頷きテリアはマールの背に隠れる。
「カムイさんジンさん、ニーヴァスは回復力が人間の比ではありません。三人で一体ずつ確実に始末していきましょう。」
「はい。」
「おうよ。」
3人がニーヴァスに飛び掛かり、マールはテリアを抱き締めた。
「『弧月連衝』」
「『結鎖・烈風陣』」
カムイとジンの抜群のコンビネーションがニーヴァスを翻弄する。
2人が作り出した隙を見て、アストンが詠唱して術で始末していく。
「心持たない哀れな人形よ無に帰れ『ホーリーランス-聖騎士の投槍-』」
アストンの右手からまばゆい光の槍が放たれ、ニーヴァスの腹部を真っ二つに切り裂いた。
「ぐっあああっ。」
すると、槍が触れた部分が、まるで光を当てられた影が消えていくかの様に、サラサラと砂となりニーヴァスの身体が消滅した。
「やるなアストン。次こっち宜しく。」
2体目のニーヴァスを鎖で捕えたジンがアストンに合図を送る。
すると、アストンの周りを黒いまがまがしい障気が覆っていく。
「冥負の審判よ裁断せよ『ブラッドクロス-濁血の十字架-』」
アストンが十字架を描くとニーヴァスの背後に漆黒の十字架が現れ、ニーヴァスの四肢を磔にする。
「なっ、なんだこの十字架は!?動けない……」
拘束された身体は十字架に吸い込まれていく。
「がっ、あぁっ、ぐぁぁぁぁあっ……」
吸い込まれる際の苦痛にニーヴァスは発狂しながら消滅した。