廃陸の旅団

あっと言う間に二体のニーヴァスを倒したカムイ達。

何の問題もなく最後の一体を倒して先へと進むはずだった。


順調にアストンの詠唱時間をかせいでいく2人。

それはアストンが術を発動しようとした瞬間に起こった。

「――なっ!?」

ニーヴァスの心臓を背後から何かが貫き、それが発せられた地点へと戻っていく時にニーヴァスも巻き込まれて闇に消えてた。

「バリッ、ゴキ、グチャ……」

暗闇の先から何かを噛み砕く音が聞こえたかと思うと、そこから一際大きなニーヴァスが現われた。

「な……なぜここにネオがいるんだ。」

それの正体を知るアストンの額に冷たい汗が伝う。

「……テリア、どうしたの?」

マールの背後でテリアが今までにないくらいに怯えていた。

「俺様の飯をよくも殺してくれたな。そいつをよこせ、俺様は腹ペコだ。」

ネオと呼ばれたニーヴァスはテリアを指差して舌なめずりをした。

「怖いよ、お姉ちゃん。」

その様子を見ていたテリアが更に怯えてマールにしがみつく。

「大丈夫、私が守るから。」

ネオが動いたら何時でもプロテクトをかけられる体勢を整えるマール。

それでもマールにはある不安が拭いきれないでいた。

「アストンこいつは?」

「ニーヴァスに上位のスフィアを融合させた進化体『ネオ・ニーヴァス』です。ネオは人間やニーヴァスを食らって栄養とし、力を増していくのです。」


「はっ……つまり化け物ってわけね。」





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