廃陸の旅団
「邪魔な人間だな。俺様が用があるのはそこのニーヴァスの餓鬼だけだ。」
その巨体からは考えられない速さでネオはジンを吹き飛ばした。
「なっ、速っ!!」
ジンはそのまま壁に叩きつけられてしまう。
「次はお前か?」
ネオがカムイを見てそう言うと、また物凄いスピードで移動しカムイに襲い掛かった。
「やべっ油断した……緑柱眼のフォースが足りねぇ。」
ネオの拳がカムイのみぞおちを貫こうとした瞬間。
「射ぬき静止せよ『アイシクル・テイル-凍てつく尾羽-』」
ネオの拳をアストンの放った氷の刄が貫く。
「なんだ雪遊びか?……な、なんだこれは!?」
するとネオの腕が氷に触れた部分からどんどん凍り付いていく。
「貴様よくも……」
ネオは凍り付いた自らの腕を切り離す。
すると傷口から触手が無数に生え、腕の形に収束したかと思うと、一瞬の内に腕を再生してしまった。
「もはや、回復力を超えて蘇生力と言ったところだな。」
再生した腕を見てカムイがそうつぶやく。
「呪術か……欝陶しい能力だ。まずは貴様から始末することにしよう。」
一瞬にしてアストンに近づいたネオ。
詠唱中はそれ以外に何もすることができない。
ネオの触手が貫き、辺りに鮮血が散布した。
「なっ……!?」
アストンの目の前には、自らをかばい腹部を貫かれたテリアの姿があった。
「テリア……テリア!?」