廃陸の旅団
「カムイ退け!!『結鎖・包閃華-ホウセンカ-』」
ジンの叫びにカムイが更に後方へと下がる。
ジンの投げた鎖はニーガルを一瞬にして取り囲み、結界内に無数の斬撃を充満させる。
「…………『黒麗-コクレイ-』」
ドッ!!と辺りに爆発音が響き渡ると同時に、ジンの結界が粉々に砕け散る。
ニーガルは漆黒の剣の一振りでジンの結界を容易く突破してしまった。
「はぁあ!!『空衝列波-クウショウレッパ-』」
カムイの鋭い斬撃は真空の刄を生み出し、ニーガルに襲い掛かる。
「『白凛-ハクリン-』」
真空波が掻き消された時、白い残像だけが皆の視界に写った。
誰もがニーガルの純白の剣の太刀を視認することなどできなかったのだ。
「おいおい、ちょっとこれは洒落にならねぇぞ。」
百戦錬磨のジンの額に大粒の汗が滲んでいる。
それほどの差。
「どうした?来ないなら私から行くぞ!!」