廃陸の旅団
カムイとジンは幾多の戦闘を経て、その信頼関係をこの上ないほどにまで高め。

更に個々の卓越したバトルセンスが、今は2人の首を絞めていた。

「――『ターピュランス』」

カムイに放たれた乱気流はカムイの視界を完全に閉ざす。

しかし、緑柱眼の力の前にターピュランス程度の術では刹那の足止めにしかなりえない。

だがニーガルはその一瞬の隙で、カムイには援護できない状態でジンの目の前へと躍り出る。

「――打ち抜け『スプリット・アロー《飛散する矢束》』」

ニーガルの予期していなかった方向から矢が飛んできた。

「……アストン。」

アストンの放った矢は、まるでニーガルがどちらに避けるのかを知っていたかの様に、方向を変える。

「私のカオス・フィールドに全く影響されぬか……強くなったのだな。だが――」

掌ていで一発。

アストンの矢は粉々に砕かれてしまう。

「フォースも纏わぬ矢ごときで私は倒せないぞ。」




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