廃陸の旅団

「まだ終わりじゃないよ兄さん。」

砕かれたアストンの矢が不気味にニーガルの本体を照らした頃。


カムイは右目に激痛を感じていた。

「っつ……何だこれ。」

脈打つ様な激しい痛みに耐えかね、カムイはその場にうずくまる。

痛みは次第にその感覚を狭めていく。

「待てよ……せめてニーガルに一太刀あびせなきゃ治まり効かねぇだろうがよ。」

カムイが立ち上がり、無理矢理に右目を見開く――

「そこらへんで止めとけ。」

と、そこには巨大なフォースが手の平の形をしてカムイの視界を塞いだ。

聞き覚えのある声、そしてフォース。

「あんた、まさか……オスカー?」

「良いからもう緑柱眼閉じろ。アストンの二の舞になりてぇのか?」






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