廃陸の旅団
「……っ。」

ようやく意識を取り戻したジン。

覚えのない温かな光に包まれ、その光の向こうではニーガルとオスカーが戦っていた。

「何だこりゃ。なにがどうなって……痛っ。」

全身に無数の傷を負ってしまっていたのだ、いくらマールの治癒術が高い性能を誇ると言っても動ける様な傷ではない。

「……なんかオスカー調子悪くないか?」

オスカーの動きもカムイに比べれば恐ろしく速い。

それどころか、はためから見てもニーガルよりも速かった。

「……違う。調子が悪いわけじゃない。」

しかしオスカーの攻撃はニーガルに届かず、ニーガルの攻撃だけがオスカーを捕らえていた。

「ふふふ。足手まとい4人をかばいながらでは流石の"天帝"も辛そうだな。」

ニーガルの白剣がオスカーの足を狙い、回避したオスカーが空中に投げ出される。

対空時とはいえ追撃を受けたとして、オスカーは受け流す自信があった。

しかし――

「残念。私の狙いはあっちだ『真空波』」

治癒の最中で身動きのとれなくなっているマールへと向かう斬撃。

「しまった……」





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