廃陸の旅団
「おいおいおい…冗談じゃねぇぜまだか。……まだ上がんのか。」
反撃に放った呪術がニーガルの肩口の服を破り去る。
宙へと投げ出された布が不運にもオスカーの視界を一瞬奪い去る。
「……くそっ。」
「……『インビジブル・バレッド』」
ここにきて初めてニーガルの攻撃がオスカーを直撃した。
スピード重視で破壊力は大したことはない呪術なのだが、フォースが増大しているニーガルの術は本来のそれとは比較できないほど力を増していた。
普通なら拳で殴られた程度のダメージなはずのそれは、オスカーの左肩を医療では修復不可能なほどに破壊してしまった。
「……の野郎。」