廃陸の旅団
生き返ったわけではなくニーガルはピクリとも動かない。
何が起きているのか誰にも分からない。
「「……まことしやかな話だがこの世界のどこかにイーブン・スフィアと呼ばれるスフィアを浄化するスフィアが眠っているらしい……」」
その時マールの頭にいつかのクロノの言葉が浮かんだ。
ニーガルの身体は先の方からドンドン光る粒となり、心臓に収束していく。
そのあまりの神秘さに見とれてしまっている間にも、収束は続きついに心臓がまばゆく光り輝く球体にかわった。
「あれって……スフィア?」
光り輝くスフィアはアストンの手にゆっくりと納まる。
「これは……今までのどのスフィアにも該当しない。いったい何なんだ?」
スフィアはアストンの手の中でいつまでも金色に輝き続けていた。
「………兄さん、ありがとう。ウリア、テリア、それにニーヴァス達すまなかったね。さようなら。」
アストンは自らの手で研究施設の動力をきる。
深い闇に包まれたアストン達をニーガルが明るく照らしだしていた。