廃陸の旅団
「な……なんてことだ!!」
ニーガルが剣を振り下ろした先には、クラナドをかばい背中からおびただしい量の血を流しているカムイの姿があった。
「何をしているんだカムイ君、どきなさい。彼は罪を犯した。罪人は裁かねればならないのだよ。」
クラナドは自分をかばっていたカムイを蹴り飛ばす。
ニーガルにより受けた傷で気を失っていたカムイは、その勢いのまま転がっていく。
「カムイ君!!」
ニーガルがカムイを受けとめるその隙に、クラナドは真っ暗な闇の中へと消えていった。
ニーガルはゆっくりとカムイを降ろすと、悔しそうに頭を抱えた。
「言わんこっちゃない。逃げられてしまったじゃないか!!最悪の場合君がクラナドの逃亡幇助として罪を負うかもしれない…んだ…ぞ?……って気を失ったか。」
カムイはクラナドに裏切られた精神的なショックと、ニーガルから受けた傷とで気を失っていたことに、ニーガルが気付く。
「はぁ。こりゃまた副監にどやされるな。」
ポリポリと頭をかき、はぁとため息を一つついてニーガルはカムイを背負い上げ、どこかへと消えていった。