廃陸の旅団
地図から消えた島
クラナドの家を離れたカムイとジンとマールは、ある物の手掛かりを求めて再びケルセウムを訪れていた。
「相変わらずハンパない警備の数だな……」
「もう私達立派なお尋ねモノだもんね。顔見られたらアウトだよねー。」
林の影からケルセウム市街を警備する軍人を見ながら、ジンとマールがぼやいていた。
「…………やるしかねぇ、か?」
ジンが言葉少なく強行突破を促すが、カムイは首を横に振った。
「いや、関係ない人達は巻き込みたくない。」
「関係なくはないと思うんだけどなぁ……じゃあ、どうするのカムイ?」
カムイはしばらく、うーん。とうなる。
「アストンさんが戻ってるなら、また導穴を使う……とか。は無理だよなぁ。」
アストンは自ら犯した罪を清算しに軍へと戻ったのだ、お咎め無しなんてことは有り得ない。
下手をしたら、もう殺されてしまっているかもしれない。と3人の頭には最悪のビジョンまでもが浮かんでいた。
「こりゃ、八方塞がりかぁ……」
「うーん、そだねー。」
「まさにあれだな、猫の手も借りたいってヤツ?」
「ミャ?」
3人の背後から聞こえた声に、一斉に振り向く。
「ミャア。」
「借りるか?猫の手……」
「うーん……」
カムイがゆっくりと黒猫に近づいていく。
すると、猫の首輪に紙切れが挟まっていることに気付く。
「これは――」
紙に押されたB.A.S.E.の紋。
その送り主は――
「ローザス・ウィザード副監から……オレ達3人宛てだ――!!」
なんとB.A.S.E.ナンバー2であるローザスから、紛れもなくカムイ達に向けて送られた伝令であった。
「何て書いてあるんだ?」
恐る恐る中を覗き込むジン。
カムイがゆっくりと読み上げる。