廃陸の旅団
小屋の中は外観によらず小綺麗に整理整頓されていて、5人が入ってもさほど窮屈には感じなかった。
とはいえ、更に小屋の持ち主であろう髭面の男と、ローザスからの手紙に書いてあった娘も居るのでギュウギュウ詰めではあるのだが。
「B.A.S.E.の皆様。お話は伺っております。私がマルク廃島までの船頭をするロイと言います。こっちが娘の……」
「アルネアと言います。宜しくお願いします。」
深々と頭を下げるそんな2人にジンが尋ねる。
「えっと、アルネアさんも一緒に行くのか?無属民の残党とかがいて危険だぜ?」
そんなジンの気遣いにロイはいやらしい笑みをする。
「コレはこう見えても、あのローザス隊長の右腕と呼ばれていたこともあるスリンダーです。心配はご無用です。」
するとアルネアがにこりと控えめに笑った。
「はぁ、可愛い顔してスリンダーか。人は見かけによらないって本当だな。」
「今さら何言ってんのよジン。こんな可愛い私が有名なヒーラーなのよ?」
「ははは。。。確かに、こんなチンクシャがアーリアの再来だなんて見かけにゃ分からんわ。」
「ムカッ。」
他人の家だと言うのにおかまいなしに仲良く喧嘩を始める2人を、カムイとスクルド、アストンが微笑みながら見ている。
その横で、表情一つ変えないアルネアとロイがいた。