廃陸の旅団
「ふぅ、なんとか間に合ったの。」
パチパチッとスクルドの身体を電気が巡る。
その腕の中にアルネアの姿があった。
「ありがとうございましたスクルド老師様。」
スクルドはゆっくりとアルネアを地面におろす。
「なに、礼など受け取れんわ。そなたの父上を助けることができんかった。申し訳ない。」
スクルドは深々と頭を下げる。
「いえ。父もこうなることは覚悟した上でした。でも……私が守ると、そう約束していたのに……」
涙を流し俯くアルネア。
スクルドが優しく背中をさする。
「…………。――!?」
急な左脇腹の痛みに振り返るスクルド。
「なっ……何故おぬしが――!?」
スクルドの身体を鋭利な何かが貫通していた。
「なるほど、そういうことか。油断……した、わい……」