廃陸の旅団
ソニアの目の前で光を放った刃の群れが、ポォウっと淡い光を放ちながら、霧のようにバラバラに散る。
舞い散った刄の粒がカムイを囲む嵐のように急速回転し、全てを飲み込むハリケーンの様に辺りの物を巻き込みながら渦巻く。
「『剣嶺・白銀砂塵-ダストストーム-』」
超引力によって、後方に飛んだはずの身体が空中で停止する。
「ばかな……こんなはずが、こんなはずがぁぁぁあっ!!」
そして僅かに身体が前方に傾くのを感じた瞬間にはもうソニアの身体は、急速に回転する刃の渦に飲み込まれていた。
「はぁ、はぁ。悪いねソニアさん。オレの勝ち――なっ!!」
刄の渦が止まり、淡い光の中からソニアの身体が力なく崩れ落ちる。
あれだけの刃に全身を切り裂かれたはずのソニアが身体を起こした。
「くそが、くそが、くそがぁぁあ!!あの方の為にお前なんかに負けられないんだよ!!」
ソニアが決死の覚悟をもって、何かを懐から取り出す。