廃陸の旅団


激しいぶつかり合いの中、妙な静寂の下戦う2人がいた。

「『真空波』」

「『陽炎-カゲロウ-』」

風の刄と炎がぶつかりあい、激しい爆発が起きる。

熱風が駆け抜けるなか、オスカーとミルファは一瞬たりとも視線を外さない。

それが直接、死に繋がることを2人は理解していたからだ。

「……うずくぞ。」

ぼそりと呟いたミルファ。
「貴様に20年前に付けられたこの傷が疼いて仕方が無いんだよ!!オスカー!!」


それまでの静寂を掻き消す様に、ゴォォアと音をたてながらミルファの膨大なフォースが解放される。

溢れだしたフォースは大気を焼き焦がし、息を吸うことすら躊躇われる。

「……懐かしいねぇ、白き焔を操る双剣士。」

具現化された一対の剣。

柄の部分に白蛇が飾り付けられ、おぞましさすらも感じる。

「さぁ再び合間見えよう、兄弟子よ。」

「いつまでたっても面倒くせぇ弟弟子だなぁ、おい。」



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