廃陸の旅団
アブソリュート人材育成機関の最上階に設置された特別クラス。
とある少年が教室に入ってくると黄色い悲鳴が響き渡った。
整った顔立ちに澄んだ瞳。
「クラナド君おはよう。」
何人もの女生徒達からそのクラナドという少年に挨拶やら何やらが飛び出す。
クラナドはいつも少し困ったような顔で返事をしていた。
クラナドは実は女子があまり得意ではなかったのだった。
しかし生まれ持ってしまったその顔立ちから女生徒は放っておいてはくれない。
困り果てたクラナドに唯一機関内で逃げることができる場所がある。
「カムイ君おはよう。今日も隣に居ていいかな?」
カムイと呼ばれた少年は何も言わず小さく頷いた。
クラナドがカムイの隣の席に座る。
「……クラナドいつも大変そうだな。」
カムイから話し掛けてくることは滅多にないのでクラナドは驚いたが、嬉しくて笑顔で答える。
「なんかね。今日はB.A.S.E.-ベース-の人が来るらしいんだ。」
「B.A.S.E.?ああ軍のやつらか。誰が来るんだ?」
教室では軍部の誰が来るのかという話で持ちきりだった。
いつも以上にクラナドが女生徒に付きまとわれていたのは、その軍の者とクラナドを並べて記念写真を撮ろうと目論んでいたかららしい。