廃陸の旅団
チッチッチ。と指を擦るアルネア。
その動きに導かれる様にして、張り巡らされた巣が意思を吹き込まれたかのように動き出した。
「コァァァァァァァアッ!!」
光速で迫りくる糸を回避するスクルドだったが、数億にも及ぶ微細な糸を全て抜けることは難しく、身体の所々に糸が張りつく。
「ハハハハハ…ジツニ、ジツニ…コッケイダゾ、バケギツネ。」
光速で動き回るスクルドを嘲笑うかの様に、アルネアはゆっくりゆっくりと歩を進める。
「ケェェェェェェッ!!ケェェェェェェアッ!!!」
うねうねと形を変える蜘蛛の巣に右の前脚を取られる。
糸はゴムの様に自在に伸縮し、どんな鉄線よりも硬く引きちぎることができない。
身体を大きく振り、糸から逃れようとしたスクルドだったが、ついに蜘蛛の巣に絡めとらるてしまった。
「フハハハハ…ツカマエタゾ…バケギツネ。ソウラ…ジゴクノ…クルシミヲ、アジワウガイイ『吸血蜘蛛-スポイール-』」