廃陸の旅団
叫び声が聞こえなくなると、スクルドは雷狐の姿から元に戻った。
がくっとうなだれた首が、蜘蛛の巣にささえられている。
「イダイナル…ロウシ……トワニ…ネムルガイイ……ハハハ、ハハハハハ……」
蜘蛛の巣に絡まった餌を見つけた蜘蛛の様に、アルネアがゆっくりとスクルドに近づく。
そして、力なく蜘蛛の巣に絡まるスクルドをアルネアが持ち上げた。
「……油断……したの。」
「―――ナニッ!?」
キッ。とアルネアを睨み付けたスクルドの目はまだ死んでなどいなかった。
「これで終わろうアルネアよ。『雷狐砲-ライコホウ-』」
ドッ!!!!
空間全体を照らす光が一瞬。
そのすぐあとに大爆音が響き渡り、音がおさまった時にはもうスクルドとアルネアの姿はそこにはなかった。
残っていたのは何か文字に見えなくもない、床の焦げあとのみ。
スクルドは最後の力を振り絞り、自らの身体ごとアルネアを消し去ったのだった。