廃陸の旅団
スピードもパワーも堅さも何もかもが段違いに増幅したソニア。
「ははははは。実に愉快な気分だ。」
一瞬にしてカムイの正面に躍り出ると、真っ黒に染まった腕でカムイを吹き飛ばす。
「――ぐあっ!!」
壁に叩きつけられたカムイに無情なまでの追撃が迫っていた。
「くっそ……『空衝波』」
巻き起こる衝撃波が迫ってきていたソニアにカウンターで決まる。
しかし――
「薄い。薄過ぎる……まるで紙切れの様なフォースだなカムイ。」
「――なっ。ぐあぁぁっ!!」
ソニアが指で空を切ると、凄まじい衝撃波がカムイを飲み込んだ。
激しい圧迫でカムイの身体が壁に食い込んでいく。
「まったく、なんてひ弱なんだ。これがあの方に認められた男だと!?」
「ぐあっ、がっ!!」
ぶつぶつと呟きながら、空を切り続けるソニア。
衝撃波の連続でカムイの身体はすでにほぼ壁に埋まってしまっていた。
「何故オレでなく、こんなガキが……あの方を崇拝しあの方に尽くすと決めたオレでなく……こんな、こんな餓鬼に……」
怒りが込められ、更に衝撃が強くなる。
ボロボロに引き裂かれ、身体を圧砕されるカムイはもうすでに声を出すことすら出来なくなっていた。
「ん?…………なんだ、もう気を失ったのか。つまらんやつだな。ならもういい……死ねカムイ。」
思い切り振り上げた腕をソニアがカムイ目がけて振り下ろす。