廃陸の旅団
「……いったいどういうことだい?エターナル・スフィアを削って造り出しただと!?」
ジンの言葉にナタリアが笑う。
「オウム返しとは驚いたな。はっはっは。なぁに疑問なんて抱く必要はないよ。全て……言葉の通りだよジン。」
B.A.S.E.が厳重に保管していたはずのエターナル・スフィア。
それを用いてブラック・スフィアを生み出したということは、既にエターナル・スフィアが敵の手中にあることを意味していた。
「お前等いったい何が狙いなんだ?」
ナタリアは崩れてしまった顔を歪めて笑う。
「狙い?そうさね、この世界を変えたい。といったところかな?」
ドクッドクッ。とジンは激しく脈が打たれるのを感じていた。
「反吐が出るぜ。自ら禁忌を犯してまで、やることかいそれ?」
「私の罪など取るに足らないことだよ。私は新世界の礎となるのだからね。」
怒り。
ただそれが身体中を駆け巡っていた。
「最初から相容れねぇと思ってたけど、ここまでだったとはな!!盲信者の目を覚まさしてやるよ『結鎖・ひょう――
「多重層結界……『永闇-トコヤミ-』」
瞬間。ジンは結界に閉じ込められたことすら気付かぬままに、気を失っていた。
「盲信ね……否定はしないよ。それほど私は、私たちは彼女を崇拝してやまないのだから。」