廃陸の旅団
「ぜっ、ぜっ、はぁ。さらばだミルファ。」
オスカーは珍しくその場に崩れ落ちた。
強敵との戦いに加え、フォースを恐ろしく消費する双剣術の奥義を2つも使用した為にもはや限界を超えてしまっていたのだ。
「……ちっ。こいつはマズいな。あと二匹残ってんのによ――――。」
ぼやけた視界が閉じていく。
無理矢理に起こしていた上半身すらも、力が抜けて地面に伏しそうになった瞬間だった。
「見ない間に随分とだらしなくなられたのですねオスカー。」
艶やかな着物に身を包む、腰よりも長い艶やかな黒髪の少女。
「おめぇ……スク」
「しっ。今はゆっくり身体を休めてください。」
少女が何か詠唱をすると、オスカーの身体に力が湧いてきた。
「ブラック・スフィア……なんと罰当たりなモノを。あとは私に任せてください。」
「……とっつぁん。早く追い付いてこいよ、やっと約束果たせたみたいだぜ。」