廃陸の旅団


「ぜっ、ぜっ、はぁ。さらばだミルファ。」

オスカーは珍しくその場に崩れ落ちた。

強敵との戦いに加え、フォースを恐ろしく消費する双剣術の奥義を2つも使用した為にもはや限界を超えてしまっていたのだ。

「……ちっ。こいつはマズいな。あと二匹残ってんのによ――――。」

ぼやけた視界が閉じていく。

無理矢理に起こしていた上半身すらも、力が抜けて地面に伏しそうになった瞬間だった。

「見ない間に随分とだらしなくなられたのですねオスカー。」

艶やかな着物に身を包む、腰よりも長い艶やかな黒髪の少女。

「おめぇ……スク」

「しっ。今はゆっくり身体を休めてください。」

少女が何か詠唱をすると、オスカーの身体に力が湧いてきた。

「ブラック・スフィア……なんと罰当たりなモノを。あとは私に任せてください。」

「……とっつぁん。早く追い付いてこいよ、やっと約束果たせたみたいだぜ。」





< 412 / 583 >

この作品をシェア

pagetop