廃陸の旅団
「リリー……リリー!!返事しろよリリー!!!!」
カムイはリリーを抱えあげ懸命に声を出した。
「……ムイ。」
すると、微かな声が返ってきた。
「リリーどうしてこんなことに。」
ガタガタと腕を震わしながらリリーは何とかアンバー・タワーを指差す。
「…エターナル・スフィア……ローザス副監……反乱を……」
3つの言葉を発するだけでもうリリーは限界だった。
カクン。と関節から力が抜けると、アンバー・タワーを指差していた腕がドサリと地面に落ちる。
カムイはその手をギュッと握りしめる。
「ねぇ……カム…イ。聞いて……」
あまりにも小さな声で、カムイはリリーの口元まで耳を寄せる。
「……好きよ…カムイ。ずっと…あなたの…こと守りたかった……好きよ……好き……」
リリーの瞳からたくさんの涙が溢れだした。
そしてカムイの頬にも。
「ごめんリリー。ずっと辛い思いさせてたんだな……オレだってリリーのこと好きだ。」
カムイの言葉にリリーが微笑む。
カムイがキスをしようと顔を近付ける。
と、リリーは首を振った。
「来世で……会いま…しょう?……そしたら……キス沢山しよ…うね。……大好きだよ…カムイ……」
リリーの全身から力が抜ける。
カムイはリリーを抱き締めながら声が枯れるまで叫び続けた。